フラダンスはとても人気があるのに、そのわりにフラダンスが題材の映画はあまりないような気がします。
フラダンスがハワイの文化そのものだとも言えるので、難しいのかもしれませんね。
それでもフラダンスが重要な役割を果たす映画はいくつかあるので、ご紹介します。
フラガール
日本映画でフラダンスの映画と言えば、2006年公開のやっぱりこれでしょう。
「フラガール」
今でこそフラダンスを踊る人は多いですが、この映画のベースになった「スパリゾート ハワイアンズ」(当時は「常磐ハワイアンセンター」)が、日本でフラダンスが多くの人に知られるようになるきっかけになったんですね。
福島の炭鉱町である「いわき市」が、閉山による危機から街を救おうと始めた「常夏の楽園」プラン。涙あり、笑いありの実話ベースの映画です。
東京から呼び寄せた平山まどか先生 (カレイナ二早川先生がモデル)が、炭鉱の娘たちを集めて始めたフラダンスを軸に、立ちはだかる数々の壁を乗り越え、無事に常磐ハワイアンセンターを立ち上げるまでを描いています。
もちろんフラダンスシーンもたくさんあります(ポリネシアダンスということで、フラダンス以外にもタヒチアンダンスも出てきます)。
この映画で何回か出て来る「To you sweet heart, Aloha」が印象に残っている方も多いのではないかと思います。東京に帰ろうとする先生を引き留めるために生徒たちが踊るのがこの曲です。
ここで踊って卒業した方たちが教室を開いて、「スパリゾート ハワイアンズ」系列のフラ教室は日本各地にたくさんあるようです。
ブルーハワイ
知る人ぞ知るエルビス・プレスリーの映画です。1961年公開の映画なので、リアルタイムで知っている人は少ないかもしれませんが、アメリカはもとよりヨーロッパでも、もちろん日本でも大ヒットした映画です。
ブルーハワイの歌自体は、更に古く1937年にビング・クロスビー が歌ったものです。
この映画の中では「Aloha ’Oe」 や「Hawaiian wedding song」なども歌われています。
どれもフラダンスでよく使われる曲ですね。
この映画の中ではフラダンスがたくさん出てくるというわけではないのですが、何しろ撮影されたのが1960年代初めなので、今の観光地化されたハワイとは違ったその時代のハワイの雰囲気を味わうことができます。
もっともハワイ独自の文化を愛する人達の間では、アメリカ映画に出てくるようなハワイ(フラを含む)は本物ではないということで、敬遠されることがあるのも事実です。フラダンスの歴史の記事でも触れましたが、ハワイ文化(フラダンス)の復興の助けになったのもまた事実でしょう。
ちなみに高齢の方が観客に多い場合には、私たちもこの曲を踊ることがあります。知っている曲があると、喜んでくださることが多いので。
リロ&スティッチ
ディズニーのアニメ映画です。
主人公のリロはフラダンスを習っている設定なので、映画の中にフラダンスの場面は時々出てきます。
主題歌である「リロの歌(He mele no Lilo)」は、オープニングでフラダンス付きで使われて印象的ですね。
この歌は、ディズニーの子供向けアニメ映画の主題歌、というにはあまりにも本格的にハワイアン、という感じがしています。
歌詞もハワイの王様/女王様を称賛する内容ですし、本格的なハワイアンの魅力的なメロディーです。
オープニングのフラダンスは、実際にフラダンサー(Mark Keali’I Ho’Omaluのハラウ)が踊ったものを忠実にアニメ化にしているということです。ということで、実はアニメをコピーして踊るというのはNGなのではないかと言われています。
とは言え、動画サイトなどで検索すると出てくるビデオは、ほとんどアニメをコピーした振り付けになっています。まあ、仕方ないのかもしれませんが・・・ただアニメでは曲全部が踊られているわけではないので、アニメになっていない部分はそれぞれの創造(想像)になっていて興味深いです。
モアナと伝説の海
こちらもディズニーのアニメ映画です。
フラダンスの映画ではありませんが、個人的に大好きです。
ポリネシアと思われるところにある架空の島「モトゥヌイ島 」の伝説に関するファンタジーですが、ハワイが舞台ではないけれど、風景、風習、伝説など、ポリネシア特有の文化がちりばめられて、すばらしいです。
主人公のモアナが祖母と踊る場面がありますが、動きがほとんどフラダンスで嬉々として見てしまいます。
アロハ
2015年にアメリカで制作された映画です。
出演している俳優さん達はかなり豪華なのですが、お話し自体はかなり単純。ハワイが舞台なのに、出演陣がほぼ白人というので、問題視された映画です。
ハワイの「マナ」のことなど、ハワイの神秘的な部分も描かれていて興味深いです。
出演場面は多くないものの重要な役割をしている娘(グレイス)が、フラダンスを習っている設定で、フラダンスの場面が時々出てきます。
映画自体の評価はともかく、私はラストシーンで泣きました。グレイス(Danielle Rose Russell)の表情の変化が素晴らしい。これを見るだけでも、映画全体を見る価値があったと思いました。そしてこの場面、グレイスはフラダンスを踊っているんですよね。
フラ・フラダンス
この日本のアニメ映画は、2021年12月が封切りと言ことで、私はまだ見ていません。
一番最初に書いた「スパリゾート ハワイアンズ」が舞台のようです。
題名もそのものですが、主人公(達)がフラダンサーで、もしかしたらバリバリのフラダンスアニメ映画かもしれません。
アニメでどれくらいフラダンスが表現できるのか、興味のあるところです。
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